« March 2013 | メイン | May 2013 »

April 2013

April 19, 2013

『DVD見てね!』 ~舞台監督日記~

しばらくお休みしていた「舞台監督日記」
今日から再開いたします~
------------------------------------------------------------------------

1月に行われた演奏会のDVDを先日やっと見ました!
遅いよ~今ごろ~…って言われそうですが…ハイ、その通り。スミマセン。
1人になる時間って滅多に無いんですよね私。で、やっと時間が作れ、ゆっくりド~ンとTVの前に構えてDVD見ました。

泣けました!

第2部。ちびっ子達全員出てくるステージからNHK合唱コンクール小学生課題曲まで。
ここで、何かもう感動!
30年前に私も学校で歌った沢山の曲。名曲は何年経っても色褪せず名曲の輝きを放ったままです!繊細、且つ力強いメッセージ…『手のひらを太陽に』の振りで、両手をゆっくり頭上に真っ直ぐ伸ばす振りがあります。この曲のテーマそのもの。偶然なのか、カメラマンさんの意図なのか、上手横からのアングルで100人近い数の両手が…大小様々な手が…グ~ンと伸びてゆく映像。一気に感動 Max!
色んな思い出。現在での色んな思いがこみ上げてきちゃいました。
個人的感想ではありますが…

音楽の力ってすごい!

April 22, 2013

新作『うらしま太郎の鬼たいじ』に寄せて①~舞台監督日記~

先月1/12に行われた第48回定期演奏会では16年ぶりの新作!
杉並ミュージカル『うらしま太郎の鬼たいじ』を世界初演!?致しました。 
16年ぶりの念願の新作!永かった!待った!そしてヤッター!…ということで、略して「ウラオニ」のお話をつらつらと書かせて頂きます。

私が杉児ステージの演出をやらせて頂くようになって20年ぐらいになります。
その間、いくつかの初演経験はございますが、今回初めて脚本家探しや、テーマ・コンセプト決めから全て麻子先生と2人3脚でやらせて頂きました。
イヤァ~、もう、ワクワク!ウヒャウヒャ!楽しい楽しい■
舞台作り・作品作りは五感が刺激され、何とも言えない面白さがあります。

まず、脚本家・大谷美智浩さんとの出会い。
大塚庸介君との繋がりから紹介して頂き、初めてお会いしたのは帝劇そば喫茶店。
先生方と庸介君と私…そして大谷さんの5人。
ちっこい座席にギュッと身を寄せ合い座った時点で、うん?
この感覚?これって杉児ファミリー!! イケる!と直感。
もちろん、麻子先生も大谷さんとお話されてピーンときた感じ。
その後、そのまま帝劇にて出演されてた「モーツァルト!」を先生方と観劇すると、
そこでの大谷さんの存在感に先生方もとても好感を持たれたようで決定■

そして、プロットのやりとりをして半年後、第1稿が上がってきました。    ②へつづく

April 23, 2013

新作 『うらしま太郎の鬼たいじ』に寄せて ②

プロットのやりとりをして半年後、第1稿が上がってきました。
初めて本を読んだ時には、すでに頭の中で浦島太郎や
桃太郎たちが動き回り、場面ごとの情景が浮かんでいました。
この感覚…私は大好きです。
漠然とした絵が自分の頭の中で、何枚も何枚も絵本のようにめくられていく。
1枚1枚の絵はまだ繋がっていません。所々暗闇があります。
この暗闇の部分に色付けしていく作業が始まるかと思うと
ワクワクし心がソワソワと踊り始める感じなんです。

しかしながら、浮足立っててはいけない! 
冷静且つ客観的に…と自分に言い聞かせ、何度も脚本を読み返しました。
実際、団員の顔を思い浮かべながら…ちびっ子達の事を考え、中堅メンバーの事、
キャスティングの事を考え、更にはセットを組まずひな壇が有りっぱなしのステージに於いて
如何に各場面の情景を表現するか。
とりあえず、幾つかの見通しを私の中で立てて、大谷さんとの打ち合わせを重ね、幾度となく変更。
待つ…第2稿…待つ…第3稿…やっと、決定稿!
そして、作曲家・小六先生の元へ脚本が渡る。

作曲をお願いするまでに大谷さんと出会ってからすでに1年半が過ぎていました。 
③へ続く

April 27, 2013

新作 『うらしま太郎の鬼たいじ』に寄せて③~舞台監督日記~

作曲をお願いするまでに大谷さんと出会ってからすでに1年半が過ぎていました。
それだけ、手を加え温めた作品です。

小六先生の音楽は「さすが!」の一言でした。
麻子先生の感性にピッタリマッチング! 
事務所で初見で歌っただけなのにほぼ出来上がっている感じ。
(麻子先生の初見力が半端じゃない!初見で感情移入できちゃうんです!)
そして歌い込めば歌い込むほど、メロディーがハマり、音楽が奏でる情景は言葉を超えていました。

本と曲が出来上がり、楽譜となり子どもたちの手に渡るまでに約2年の歳月。
現役の頃には全く知り得ることのなかった、物創りの大変さを知った分、
今は心から作品を愛せて本当に楽しいです。

団員達にとっては初めての経験ばかりのミュージカル作りでした。
途中、サマーコンサートや演奏旅行など、レッスン2本立てという感じで、
私や庸介君ですら切り替えが大変な中、みんな本当によくついてきてくれました。
特にOG団員。大布の稽古などは水曜日レッスン後に時間延長でやりました。

土曜日のレッスン後、私がアモーレで呑気に歌って(いや、真剣に…)いる間に、
事務所に残って小道具作り。頑張りました! 特に大布の捌きや段取りは苦労しました。
演出の一つとして『見せて魅せる転換』としつこく大学生に教え、
「段取りにならない!!」「意味を考えて動く!!」「今、この布は何を表現したいの?」
と捌くだけでも精一杯の大布に、転換しながら演じなさいとハイレベルな注文。
見事に応えてくれる大学生・高校生。その姿を見て育つ中学生。
おかげで当日見られた方々には、大布で表現した海の表情の数々。
細長い布を1人1本ずつ持ち形を作って表現した舟。大好評を博しました。 

④へつづく


April 30, 2013

新作 『うらしま太郎の鬼たいじ』に寄せて ④

更に衣装も大好評!
デザイン・生地選び・パターンおこし・裁断・縫製・衣装合わせ・衣装管理。
プロの衣装スタッフは1人もいません。皆さん父兄スタッフです。
しかし。意気込みやクオリティーを求める意識はプロ顔負けの方々。
アンサンブル約90人分。ちびっ子達95人分。他キャスト衣装全て手作り。
1人分に4~5点はあるデザイン。
およそ1000点近いアイテムを作り挙げたのは杉児への愛があるからこそ!
(それでもなかなかできることじゃないですよね)

表に見えている部分だけじゃなく、裏では次に出す大布をスタンバイできるように、
暗がりの中たった2~3人で奮闘しているスタッフ。
キャストに手渡す小道具・30秒の早替え…あ・うんの呼吸でこなしていきます。

ピアノ・演者・照明・P.A・裏方。作品に携わる全ての者が一つの思いだけを胸に抱き、
真っ直ぐに物事に取り組むと、こんなに研ぎ澄まされた空間が生まれるんだと、
改めて気付かされました。
そして、脚本・音楽・演出はその空間があってこそ初めて命が吹き込まれ輝きを放つ!
“産みの苦しみ”は沢山ありましたが、世に出たこの大切な命。新しい命。
苦しみは喜びに変わり、更にはこの命がより多くの児童合唱を愛する者に受け継がれ、
より沢山の人々に愛され続ける作品に成長して行ってくれることを心から願ってます。

皆様、杉児を愛すると同じように作品も愛して頂けると、
先生方を初め、脚本家・作曲家・僭越ながら私もこの上ない幸せに思います。

「ウラオニ」への思い。つらつらと書き綴り…長くなりすぎました。
最後まで御拝読頂き感謝致します。
  
   演出・浅木紀子


楽譜 出版されました!

少年少女のための合唱ミュージカル『うらしま太郎の鬼たいじ』
  大谷美智浩 台本・作詞  小六禮次郎 作曲  杉並会議 編

とても綺麗な本に仕上がりました!定価\1700
お問い合わせ・お買い求めは杉児事務所までご連絡下さい


Calendar


<   April 2013   >
S M T W T F S
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        

back number