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February 2007

February 3, 2007

『1/120のドラマ』  舞台監督日記19

120人分、それぞれのドラマがある・・・そんな思いで、袖から見ていた私。

幕が降りる時のみんなの顔は、誰も彼も充実感に満ち溢れ活き活きした顔だった。
客席に手を振りながら袖に入ってくるみんな。
インカムをしながらアイコンタクトを送る私に、みんなは満面の笑みで応えて、楽屋へと消えて行く。

誰1人として泣いている・・・涙を浮かべている子は居なかった。
すごい!!さすがプロフェッショナル!!!
そして、楽屋へ急ぐみんなの背中、一つ一つはとても逞しく見えた。
2時間前と同じ人間だとは思えないほど・・・。

全てが終わり、劇場を後にして1人車での帰り道。
本番中のみんなの顔を1人1人思い出していた。
そんな時、ふと、レッスン中の休み時間に、ある1人の子が流した涙を思い出した。

その子は今までかなり活躍してきた子。
かく言う私も彼女の声は大好き!!“本当にいい声”といつもほれぼれするほど・・・。
その彼女は今、受験勉強と学校の勉強に追われ、今までのように合唱団の活動に参加できなくなってしまっている。
今年の受験生ではないので、この状態が最低でも後1年は続くのだろう・・・。かわいそうに・・・。

大好きな歌が思うように歌えない。
大好きな合唱団になかなか通えない。
気の合う仲間との時間が激減してしまった。
それだけでなく、今、自分は合唱団の為に・・先生方の為にも一番活躍するべき!
活躍できるはずなのに・・・自分が一番良くわかっている・・・もどかしいだろうに・・・。

でも、でも、彼女は大好きな両親の期待にも応えたい。
自分がそんなに器用な人間でない事も良くわかってるのだろう。

彼女は小さな胸を痛めてずっと悩んでいたのだろう。
数ヶ月前、彼女は「退団」の選択をも考えていた。

もともと体の小さな彼女が、さらに体を小さくして、事務所に1人訪れた。
(秋が深まる頃だったかな?)
そして、麻子先生と一対一で話しをした。
私は少し離れた所で、気にしないふりをしながら思いっきり耳をダンボにして、仕事をしていた。
彼女は一生懸命、思いを伝えるべく言葉を発しようとしながらも、涙が溢れ出て言葉にならない・・・。

その姿を見た麻子先生は、優しく彼女を落ち着かせ言葉をかけていた。
その言葉はなんと言ったか、私には聞き取れなかった・・・。

が、その結果、彼女は今も尚、歌い続けている!!
自分の思い通りにはならず、色んな事を我慢しながらだろうけど、それでも何とか退団せずに歌い続けている。

そんな彼女に、今回MCを頼んだ。ほんの少しのMCだけど、
「私、あなたの声が聞きたいんだ!」と、肩をポンと叩き頼んだ。
彼女は意外な顔をしながらうなづいた。あまりにも神妙な顔をしてるので、
「だって今まで頑張ってきたじゃん!今は辛い時期だろうけど『今でも私は頑張ってます!!』って胸張っていいよ」
と言うと、彼女の顔は急にクシャクシャとなり、大粒の涙がポロポロと溢れ落ちた。

それまで、歯をくいしばり、プレッシャーと戦いながら、周りに置いてかれまいと必死で踏ん張ってきたのが、一瞬にしてゆるんだかのようだった。

そして、その崩れ落ちそうな彼女を支えたのは受験を乗り越え、色んなプレッシャーをはねのけ、戻ってきたばかりのMちゃんだった。

たった1、2分の出来事だったのだけど、もの凄い濃い時間だったと思う。
すんごいドラマが濃縮された数分だった。

あの一瞬に流した彼女の涙の美しさは忘れられない。
それほどまでに輝かしいものだった。

1/120のドラマ・・・。
色んなドラマがあってこその本番だったのです。

February 9, 2007

『彦一どんの裏話?』 舞台監督日記 20 

「あの演歌歌手みたいなのは何だったのだろう?」・・・。

終わってから、多くの方から漏れた感想でした。
「ショパン良かった。さすが、クラッシックは聞かせるね」
「ロックンロール凄かったね」
「ちびっ子たちだけのステージなんてやるね」etc・・・。

色んな感想を頂いた中で囁かれていた「演歌歌手・・・」

アハハ(^0^)・・・。意味は特にないんです。やりたかっただけなんです(^.^:)すみません(m...m)

最初の音楽稽古であの曲を歌った時、私の頭の中ではすでにミラーボールが回っていました。ドライアイスの中、宝塚のような大階段を拳を握り締めながら、ピンを浴び歌いながら降りてくる・・・
最初にそんな演出がひらめいてしまったのです。
他との演出の兼ね合いもあるし・・・と思いながらも諦めきれず、私の胸のうちに秘めておく事に・・・。

そんな中、演出プランを詰めていく途中、麻子先生にポロっと打ち明けると
「そうなのよぅ!」と、麻子先生と意気投合!!
さすが、長いお付き合い(^0^) 考える事は同じ♪感性が一緒!?

けれど残念な事に、私のイメージ通りにやってくれそうな子がいない・・・(T0T)
結局しばらく、このプランは放置されるままに・・・。

それでも、諦めきれず、わが団、屈指のソプラノのEちゃんにお願いしました。
Eちゃんは、顔を引きつらせながらも引き受けてくれました。ありがとう!
でも、Eちゃんが抜けることにより、合唱のソプラノが厳しく・・・Eちゃんも厳しそう・・・。
そこまで無理してわざわざやる演出でなし・・・。と諦め始めました。

がっ!その時!!!救世主が現れました(^0^)
受験に無事合格し、休団していたMちゃんが一足早く復帰!
いやぁん。Mちゃんが居るならバッチリ(^0^)

早速、Mちゃんにお願いすると快諾!
私の演出イメージを話すたびに、ゲラゲラ笑いながら相槌を打ってくれるMちゃん。
必要以上にあれこれやりだすMちゃん。さすがです!!
『安っぽい歌謡ショー』のイメージを見事やってのけてくれました。(しかも、練習は3、4回)

ちなみに、あの役名は知る人ぞ知る!「金マイク」(^0^) *「キム・マイク」・・中国人と米人のハーフです。

February 15, 2007

彦一どんの裏話? 舞台監督日記 21

私のキャラとかぶっている某団員・・・そう、Qちゃん。
このスタッフ日記では、先生方以外は実名を避け、全てアルファベットで書いているのだが、アルファベットで書くと余計に実名に近くなるQちゃん・・・実名の方がわからなかったりして(^.^:)

ここ最近、Qちゃんのやる役を密かにに狙っている私です。
前回の『長ぐつねこ』の“ハンス”も狙っていたのに、敗北・・・。
衣装はバッチリ似合っていたのに・・・衣装さんの間でもなかなかの評判だったのに・・・(*o*)

そして今回は“天狗”を狙っておりました。
そして、チャンスは訪れた!
Qちゃんが年末のレッスンを学校行事とぶつかり、2回ほど休んだのだ!!
チャンッス!とばかりに、誰にも頼まれてもいないのに、勝手に代役をやってしまった。もちろん、誰も私に文句は言えない・・・。
気持ち良く天狗のソロを歌う私・・・キーがなんて合うのだろう(^0^)

調子に乗っていると、アルトのYちゃん(私と並んでいるとYちゃんの方が年上に見られる)に「なかなか良かったですよ。」とお褒めの言葉を頂き、益々調子に乗る私。

調子に乗ったついでに、台本を整理してシーンを詰めなきゃいけなかったこともあり、Qちゃんが休んでいる間に、台本を大幅に変更。
他の子の台詞をカットしながら、Qちゃんのシーンに小噺を追加。

フフフ・・・年明けのレッスンが楽しみ(-.-*)

案の定、Qちゃんは手こずっていた!私の方がはるかに上手い!
ヤッタ!!もらった!!!

しかし、次のレッスン・・3日後には、あっさり立場逆転(@o@)!
しかも彦一役の子と、相当に秘密練習を積んで来たのか、彦一との息もピッタリ。その後、レッスンを重ねる度に“天狗”は“彦一”と見事なシーンを作り上げていき、Qちゃんのハマリ役となっていった・・・。

こうして、今回も敗北を喫す。毎回毎回、負けはかさむ一方でした・・・(ToT)

しかし、Qちゃん!安心してはならず!しつこく私は追いかけます(^o^:)
他の団員諸君も代役には、麻子先生と私がいつでも控えてます!
常に精進して下さいませ。

February 20, 2007

天晴れ!回木 舞台監督日記 22

私、最近この年になってつくづく思います・・・。
新しい事を覚えたり、マスターしたりするのは、難しい・・・と。
なかなか、困難になってきました(^0^;;)

私事ですが、趣味でGospeleなんてものを、6、7年前からやっております。
歌の9割方は英語です。知っている曲なんてほとんどありません。
ですから、ライブの度に覚えるのが大変で、自主練の日々です。

現役団員だった頃は、暗譜に苦労したことなんてまず無かった・・・。
スタジオに入って、初見で歌いレコーディングするなんてしょっちゅうだったし、TVの生放送や、舞台のお仕事もそんなに練習した記憶はない。

なのに・・・なのに今ではもうできない!

そして、これと同じ思いをしている同胞を沢山見ました。
そう・・・それは、今回のポピュラーステージを盛り上げてくれた、回木の方々。

今回の参加曲は「ロックンロールメドレー」
レパートリーの中でも、比較的新しいこの曲。しかもロックンロール・・・。

「さぁ、皆さん新年早々ロックンロールで弾けましょう!!!」
の呼びかけに果たして何人の回木が集まってくれるか・・・。
案の定、最初の参加のお返事はそれはそれは寂しいものでした(ToT)

皆さん一様に「今から覚えられない」というのが理由でなかなか重い腰が上がらず・・・。

でも、執拗な私からのメール攻撃などで「よしっ!やったるで!!」とレッスン場に足を運んで下さった方。その方から同期の方へ直接誘ってもらい、口コミでどんどん広がりを見せて遂には30人以上の参加となりました。ありがとうございます。

参加するとなった回木は強し!!
いつもなら、回木参加レッスンを4、5回設定した上で2回レッスンに参加すれば良し!ということでしたが、今回は時間だけを決めて毎レッスンごとに回木参加を設定しました。その中で2回参加できればいいですよ、と・・・が、しかし!2回どころではありませんでした。皆様、仕事帰りに・・・、家事をチャッチャか終わらせ・・・はたまた旦那様に子供を託し、あれやこれやと時間を工夫して何度もレッスンに参加してくれました(^0^) 多い方で7回!!
「だって、覚えられないんだもの」・・・いやいやどうして!
立派に大きな口を開けて歌っていました。素晴らしい!!

私は常日頃、忙しい日常に追われながらも、探究心、向上心だけは忘れないでいよう!と努力しています。この精神は幼いころから生活してきた合唱団で培われたものだと確信しています。そして志水先生や麻子先生の音楽に対する探究心はもちろんのこと、日常生活においてもお二人の探究心は強く、常に向上していこう!というお二人のお姿を目の当たりにしているおかげ・・・だと思っています。この精神は杉児の原動力にもなっていると思います。

今回参加してくれた回木の方々。特に「ロックンロール」を歌っていない世代の方々の前向きな姿勢には感心致しました。天晴れです!!
“覚えられないから”不参加なのではなく、“覚えたいから”の参加!
いくつになっても杉児魂は消えることがないんだな・・・と実感しました。

そして、現役に負けじと最高の笑顔で歌ってくれた30人の回木の皆様
天晴れです!!

※今回それぞれのご事情で参加できなかった回木の皆様。是非次の機会にご参加くださいませ。

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