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July 2007

July 2, 2007

『杉児男子』 ~舞台監督日記36~

S君とS君…2人のS君は現在17才(になる年)
2人共、幼稚園の頃から在団しており、団歴10年以上のベテラン君です。
同じ学年で男の子が2人、高校生になっても残ってくれているというのは大変珍しい。
そして、2人共『S君が居なきゃ続かなかったかも…』と、お互いに信頼しあった言葉を話している。

この2人のS君…今でこそ体も大きく、立派な青年に成長しているが、小さい頃はそれはそれは可愛いらしい男の子でした(^O^)
1人のS君は、とってもシャイでいつもお母様と一緒。ピアノやヴァイオリンを愛し、小さなキリン(!?)のぬいぐるみと必ず一緒。繊細で心の優しい子。
もう1人のS君は、目がクリッとした色白の可愛い子。けれど、すこぶるやんちゃ君で、いつも周りの人に笑いを与える太陽のような子でした。

この2人が、先日とある映画の1シーンのレコーディングで“男性パート”を歌っていました。何とも不思議な感じ…。 
もちろん、とっくに変声しているのも知っているし、今まで数々の“男性パート”のレコーディングやV撮りに参加しているのも知っています。
ただ、先日は私も一緒に歌わせて頂いたので、横から直接聞こえてくる、2人の声に“ほれぼれ”すると同時に、彼らの幼少時代がフラッシュバックのように脳裏をよぎり、何とも不思議な気持ちになったのです。

そんな彼らは、現在小さい子のレッスンで2,3才のイタズラ盛りの男の子らとペアを組んで必死にレッスンしています。 
トイレに連れて行ったり、チョロチョロ動き回る2才児を上手く相手しながらレッスンに参加させたり…。 
はたまた、S君の腕の中でグッスリと眠っている2才児や、S君の膝枕でウトウトしている3才児を見ていると、私なんか母親の心境にどっぷり漬かってしまう…。
「あなた達もついこの前まで、レッスン中、膝の上で寝てしまっていたのよ…」と。

そして、この2、3才児の子たちも、いつの日かS君達のように成長し、又、後輩達を育てていくのだろう…。
つい、目を細めて見てしまう。ここまでくると、もうすっかり“おばあちゃん”の心境σ(^◇^;)。。。

大きい子のレッスンや合宿ともなれば、小1~のやんちゃ軍団を時には厳しく喝!!!! しっかりとまとめてくれている2人。

“9割方女子”という合唱団の中では、肩身の狭い思いも多々あるだろうけど、歴代のOB達の「杉児男子」への熱い思いや期待を受けて、これからも益々頑張って欲しいと思ってます。

2人ならできる!今までのOBにできなかった事、どんどん実現して下され!o(^-^)o

追記:「私も一緒に歌わせて頂いたレコーディング」 私のパートは男性Bass…!!!へっ!? まっ、半分冗談でしょ…と思いつつ、歌ってみると、出るわ出るわ“地底の響き” 下のHは無理でしたが、Desぐらいから歌えちゃう自分…。ちょっと怖かったデス(^_^;)  その直後の会話は声帯がビローンと伸びたのか、低い低い…! 参りましたぁ~f^_^;


July 7, 2007

『入団テスト①』 ~舞台監督日記 37~

つい先日、事務所に1本の電話がありました。
「OB会とかいうものはあるのですか?」という問い合わせ。
話をしていくうちに、電話をかけていらした人が1期生という事が判りました。

あいにく、その時間帯は志水先生はまだいらしてなかったので、
後にお昼を食べながら電話の件をお話しました。
志水先生は「お~ッ!!」と、懐かしそうに第二回定期演奏会のプログラムを出してこられました。
先生のご記憶は鮮明で、当時の団の様子や団員の話・NHKの【歌のメリーゴーランド】の収録秘話など、沢山お話してくれました。

私は何度となく、志水先生の“杉並昔話”を聞く機会があり、
毎回毎回、気付くと時間を忘れ(やらなきゃいけない仕事も忘れ^.^:)、聞き入ってしまいます。
今回の話からは『入団テスト』なるもの話で盛り上がりました。
私が「1期生って入団テストあったんですか?」と質問すると、
「いや、ないよ。」「え~っ!いいなぁ~。」「いやいや、それはそれで大変だったんだよ。」
「何でですか?」「杉並区の各小学校のエリート達が集められたんだよ。」
・・・・エリート・・・(-.-:)じゃ、私無理じゃん(T0T)

お話を聞くと、当時は児童合唱ブームで、学校の音楽クラブが盛んだったそうです。
その中でも1・2を争うトップクラスの子を、各学校の音楽の先生が志水先生に推薦して、
入団が決まったそうです。
“なるほど!”プログラム写真の団員達が皆、利発そうで明るく清楚・・・というのに納得!!
エリート集団だったんですね。

尚の事、私が当時入団するなんて全く無理な話・・・
っていうか、憧れの存在で遠くから眺めているだけで終わっていたでしょう・・・。
当時の小学生でなくて良かった~(^o^)※まだ生まれてません・・・念のため。

そして『入団テスト』は2期生から始めたそうです。
今では入団テストなどなく、隋時入団OK!!・・・でも、いつ頃まで入団テストはあったのかしら??
と、麻子先生と記憶を辿ってみると、“20期生はやった”という事がわかりました。
・・・その後は???
21期生以降入団したどなたか教えて頂けませんか?
・・・あっ!今日久しぶりに振付Y君に会うので聞いてみますね(^O^)
ちなみに、彼は28期生です。
            ・・・つづく・・・

July 13, 2007

『入団テスト②』~舞台監督日記38~

今でこそ少子化の時代で、都内の学校では1学年1クラスも珍しくありませんが、
昔は子供が溢れていました。
現代みたいに、習い事も多様化していません。
主流は、算盤・習字・プール・ピアノ・剣道・柔道・・・ぐらいなもの。
何も習い事をしていない子も多かったほど。
そんな中、杉並児童合唱団にはNHKの番組出演の力も借りて、入団希望者が殺到したそうです。

とりあえず、“レッスン場に入れる人数”を基本に、テストをして入団を制限したそうです。
志水先生はみんなに入団してもらい、合唱の楽しさを伝えたかったそうですが・・・仕方ないですね。

先日のお話の際、先生は「テストするのはいいんだけど、後で誰が合格で誰が不合格か、
もうわかんなくなっちゃってね~。沢山いたから、申し訳ないけど覚えていなくてさぁ~」と、
あっけらかんとおっしゃってました・・・。(^.^:)
もちろん、特別上手な子は覚えていらしたようですが・・・。
やはり、決め手は【インパクト】だったそうです。歌の上手下手に関係なく、先生の直感!
・・そう・・・この【直感】のおかげで私は入団できたのでしょう。(^.^:)

入団テストの内容はどんなものだったのか・・・。私の時代で書かせて頂きますね。
(ちなみに私は17期生です)
① 自分の名前・学校名・学年を元気に言う。
② ドレミファソラシド~と音階を歌う。
③ この音階を「ル」の発声でキーを変え何回か歌う。
④ 最後に自由曲を歌う。
以上!・・・えっ!?たったこれだけ??・・そう。確かこれだけでした。
1人、大体5分前後で、ハイおしまい・・・。でも、この5分間は超緊張でしたよ。

自由曲・・・私の時代は圧倒的に“もみじ”が多かったのを覚えています。
そう、「あ~きのゆうひ~に~」デス。
そんな中で、私は“あわてんぼうのおつかい”を歌いまいした。(正しい曲名かビミョ~)
小学校の音楽教師をしていた母が「あなたは“もみじ”よりこれ!」と言って、
歌わされたのを覚えています。

当時は、小3・小4で入団するのが主流で20人ちょっと。小2が1~2名。小5が4~5名。
計30人前後が、1年に1回の入団テストで入団できたのでした。
入団テストには毎年100人ぐらい来ていたそうです。(ホント!?)

なんだか、こう書くとすごい倍率を突破してきたんですね。
しかし、「歌が上手い」じゃなくて、【インパクト】ですから(^.^:)
志水先生の【直感】ですからね・・・ハハハ。

なんだか、書いていて懐かしくなってきました。次回は『入団式』について書いてみようかな~。
このブログを読んで記憶が蘇った元団員の方!おもしろ秘話などあったら是非教えて下さいね。

あっ・・・Y君に会ったのに、レッスンが忙しく入団テストの有無を聞くのをすっかり忘れちゃいました。
ごめんなさい。 いつ頃まであったのか・・・引き続き21期生以降の方教えて下さ~い。

July 18, 2007

『合格発表』 ~舞台監督日記 39~

ちょっと 入団式の前に合格通知がくるまでのお話し・・・

当時はアナログの時代でしたから、合格の知らせは郵送でした。
ト、志水先生は「えっ!?電話だったよ」「え~っ!!電話?」 ト、私・・。

私よりちょっと前の時代の方々は電話だったそうです。スッスゴイ・・・。
しかも、当時まだ小学校の音楽教師だった志水先生は “事務所” というものが無かったので、
全てご自宅から1人1人のお宅に『合格です』『おめでとうございます。合格です』とお電話なさっていたそうです。

思えば、バリバリの現役教師で週2回のレッスンの他、レギュラー番組を抱え、他にもレコーディング多数・・・。
そんな中、1人1人のお宅に電話するなんて、大変なご苦労だったと思われます。しかし、現代のスピーディーなデジタルの時代と違って、入団テストから長い時間ドキドキ待っている家族たちに『おめでとうございます!合格です!』の志水先生の生声は、想い出に残る1シーン。嬉しさを実感できることだったでしょうね。

ちょっとここで余談です・・・私の場合こんなエピソードが・・・

合格通知は2週間以内に郵送で通知。もしくは兄弟姉妹が在団しているばあいは兄弟姉妹に直接わたす・・というものでした。
私の場合、姉がすでに在団。母は志水先生と同じく杉並区の音楽教師でしたから、まっ、いわゆる「コネというか・・・・仕事がらみのしがらみもあって、そう簡単には不合格にはならない(ズッル~イ)と、家族の誰もが思ってました。しかし、待てど暮らせど合格通知を持ってこない姉。段々、家族の間に「まさかっ・・・この子だけ・・・」という不憫モードが充満。ただ1人私だけは入団する気満々で入団式の日を指折り数えてる脳天気娘だったそうです。
いざ今週土曜日が「入団式!」という入団式前のレッスンを終えた姉達。やはり合格通知は持ってかえらず・・・というか、恐ろしくて母は姉達に「合格通知は?」とは聞けなかったそうです。

その日の晩、母が「あのね・・・合唱団ダメだったのよ。又、来年頑張ろうね・・・」と私に告げ、私は一気に奈落の底へ突き落とされ、さすがの脳天気娘も絶望のどん底で大泣き。すんごい勢いで泣く私を見た、すぐ上の姉は「ハッ!」と何かに気付き、レッスンバッグの在処へ・・・。そしてクシャクシャになった茶封筒を気まずそうに母に差し出す、すぐ上の姉。
「あ~~~っ!!」・・・「今頃~コラッ~」と怒る母。
「ヤッタ~~!!」と大はしゃぎの私。悲しみの涙から喜びの涙でクシャクシャの顔になり、笑顔笑顔(^0^)
9歳にしてすでに、どん底の気分と天にも舞う気分。両極端の気分を一瞬にして味わった私でした。

きっと私だけではなく、入団テスト・合格発表でハラハラドキドキのエピソードがみんなにもあった事でしょうね。

現代の子たちは入団テストや入団式はないものの、初めてレッスン場へ足を踏み入れるとき・・・お姉さんに「こんにちは」と初めて言われた時・・・小さな胸はドキドキでいっぱいでしょうね。

この期待と不安でいっぱいの「ドキドキ」を忘れず、初心を忘れず、今も昔も関係なく、この夏も頑張って行きましょうね!

July 24, 2007

『杉児ファミリー』 ~舞台監督日記40~

9月の定期演奏会のミュージカルは6年ぶりの『不思議の国のアリス』
今回のキャストもなかなか、濃い~メンバーでの上演となりました。

今回、アリスはもちろん、イモ虫先生も帽子屋も女王も、なかなかいい味を出しています。
なかでも“帽子屋”は今までになく、原作に基づいてキャラクターを設定し、さらに杉児ならではの
役者本人のキャラをかぶせて作っています。
なかなかおもしろい!!お楽しみです(^o^)

そしてもう一つ。皆様に期待して頂きたいのが“白ウサギ”です。
原作では懐中時計片手にいつも忙しそうな白ウサギ。
絵本やディズニー映画ではちょっと年配(!?)の設定。

けれど、杉並では超可愛いラヴリ~☆☆な白ウサギちゃん。
おそらく、杉並始まって以来の最年少キャストでは!?
年齢が幼いということで、声の大きさや体力など色々心配もあるのですが、
可愛さという点で全てクリア!!!本当にラヴリ~ ☆☆☆
4年以上のレッスンに少しづつ参加しているのですが、とにかく同じ団員が魅入ってしまうほどの可愛さ。初お披露目の際には、レッスンということを忘れみんなボーっと見惚れていたんですよ。(ホント!)

そんな白ウサギちゃんのお母様は何と23年前の“アリス”なんです!
親子で杉児団員というだけでも稀なのに、親子で同じミュージカルでキャスティングされるなんて!!それも“アリス”と“白ウサギ”・・・何だかすごい運命感じます。

この親子、じつはパパも元団員!!杉児ファミリーなんです。

先日、ウサギちゃんから
「パパが女王様やってくれて、おうちで練習したの(^o^)」
なんてお話が・・・。いいですね~。なんか、ほのぼのしてしまいます。
パパが女王、ママがアリス、本人は正式な白ウサギ。
そして、2歳の妹もれっきとした団員でチビキノコとして出演!!
1歳になったばかりの弟は・・・??
いつもレッスン中後ろから見ているので、トランプができちゃうんですって!!
『杉児ファミリー』・・・素敵ですね

これからも、こんな素敵な『杉児ファミリー』が増えていく予感です(^0^)
応援してま~す!!

p.s この白ウサギちゃんの御両親は私と同じ時代に共に歌っていた仲間なので、2人の事はよ~く知っています。それだけに、今、わが子が大抜擢され責任重大!!・・ってことで胃がキリキリ・・・。親の方が緊張していますよ(^.^:) 子供は親よりもはるかに落ち着いて堂々としている。立派なもんです(^0^)

July 29, 2007

『アリスの見どころ』 ~舞台監督日記 41~

ミュージカル「不思議の国のアリス」。
私が初めてこの作品に出会ったのは中2の夏。
第20回定期演奏会での作品でした。
作品の初演は第10回定期演奏会<1974年>
ですから、初演から33年!!すんごい歴史ですね~!

中2の夏にアリスを歌っている時、私は正直言って、どういうストーリーなのか良くわからないままやっていました。
そこで「よしっ!原作を読もう!」・・・しかし読んでみたものの・・・??
「なるほど・・不思議な話なんだ(-.-:)」ということだけわかり、やはり合唱団のミュージカルはちんぷんかんぷんのまま・・・(^.^:)
とりあえず、いろんなキャラクターが出てきて、それぞれ楽しそう!歌(曲)もおもしろい!!(^0^)・・・って感覚だけで、中2のころはやっていました。

それから17年後。37定演で再演を試みることに・・・。
「よしっ!台本を書き直そう!!」と、17年前の私にとってはちんぷんかんぷんだった作品に、私なりに手を入れてみることにしました。
ミュージカルナンバーは変えられないので、構成をしっかり練ることに重点を置き、原作を何回も読み、絵本を読み、ディズニー映画や実写版映画を何度も観ました。

何度も観ているうちに、17年前、原作に触れた時とは全く違う!!アリスって面白い!!
長年のベストセラーになる訳がやっとわかりました。

ストーリーの内容は“不思議”の連続で出てくるキャラクターが、なぜかみんな愛くるしい!!
どのキャラクターも、不気味だったり傲慢だったり自己中心的だったり・・・
みんなイヤな性格なのに、なぜかみんな“愛すべきキャラ!!”
「そうだ!これだ!」と気付いた私・・・。
とにかくキャラクター1人1人の性格・個性をなるべく原作に忠実に再現できるよう気をつけて、本をかくことにしました。

初演時の杉児オリジナルは“オリジナル”すぎて、万人が知っているベストセラーの作品と遠のいてしまっていたようです。もちろん、当時はそれがおもしろかったりしたのでしょうが・・・。

そして、私が初めてアリスに出会ってから23年。
「原作に忠実」をモットーに『合唱ミュージカル』としての枠の中でできる限り、キャラクターの設定を忠実に、そしてアンサンブルを活かせるような作品に仕上げていきます。
ですので、9月8日の定期演奏会では、リニューアルした『杉並版アリス』を是非、御期待下さいませ。

あっ、一つだけ・・・ストーリーは真剣に追わないで下さいね。
原作もですが、不思議な不思議なお話しなんですよ。ただ、アリスとアリスを取り巻くキャラクター達を愛して下されば幸いです。

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