『Sさんの魔法の手?』 舞台監督日記 33
Sさんの手は、私から見ると“魔法の手”のようにしか見えません。
私の勝手なイメージや理想を現実の形のあるものにしてくれる!!しかも早い!!チャッチャッチャっと絵を書いて見せてくれて、私が又、勝手な注文をつける。
「うん。うん。」とうなづいて、あっという間に生地にチャっと線を描いて、サっと布を裁つ。「とりあえず見本ね」と言って、あっという間に立体に縫ってしまう。
学生の頃、美術「2」家庭科「2」に近い「3」だった私には、Sさんの、物を立体にとらえる力や、器用な手先にはビックリするばかり(@o@)
が・・・、魔法の手をもつSさんも、魔法をかけるまでには、じつは大変な苦労と努力をしてくれているんです。
「チャッチャッチャ」「サッ」・・・なんて書くと、本当に簡単に思えてしまうかもしれませんが、じつは、そんなことないんですよね。
まず、イメージ通りの生地を探すのは本当に大変!
色・質感・価格・・・そして縫い易さ。やっとこの条件がそろっても、メーター数が足りなかったり・・・(ToT)
生地選びは、悔しさの連続で本当に疲れるんです。
しかも、豊富な知識と経験が必要。あっ・・・体力も(^。^:
生地を買ってきてグッタリと疲れ果てているスタッフを横目に見ながら、
Sさんは事務所に到着すると、何やら動き出す・・・。そう、Sさんのすごい所はもう1つ!
“魔法使い”というだけでなく“パワフル!!”
忙しいSさんは、時間を無駄にしないんですよ。
それにしたって「疲れるでしょ?」と尋ねると、たいていいつも「ううん!楽しいから^0^」と言ってのける・・・。いや・・・いくら楽しいと言ったって・・・ねぇ・・(^.^:)
本職の方も忙しく、杉並の本番が近い頃には、Sさんはほとんど眠っていない感じ。
それでもSさんは、絶対私にはグチらない。さすが!!
そしてラストスパートの頃、Sさんの“魔法の手”は大活躍!!
通し稽古でNGの出た帽子が、翌日には「できたよ」と言って事務所に置いてある!
えっ!?・・だって昨日夜遅く渡したのに・・・今、まだ朝だよっ!?!?!?!? すんごいです!!
急に追加で必要になった小道具が、次のレッスンにはそろっている!
もう、魔法の手は動き続け大活躍!!!
今では杉並のミュージカルにとって、このSさんの存在はとても大きなものとなりました。
これからも“魔法の手”大事に大事にしていきたいと思ってます。
よろしくお願いしますね(^0^)